1. HOME
  2. ブログ
  3. タイ
  4. タイの市場調査をする前に担当者が抑えておきたい基礎知識

ASEAN最新動向

Latest trends in ASEAN

タイの市場調査をする前に担当者が抑えておきたい基礎知識

タイに進出する企業のご担当者が最低限知っておきたいタイの市場調査に関する基礎知識をまとめてご紹介します。

1 タイの概要データ

東南アジアのタイ王国(タイおうこく)、通称タイは、インドシナ半島に位置する東南アジアの立憲君主制国家です。

国・地域名

タイ王国 Kingdom of Thailand

面積

513,115平方キロメートル(日本の約1.4倍)

人口

6,408万人'2011年 出所:国家統計局

首都

バンコク'クルンテープ(人口 825万人(2010年12月、タイ統計局)

言語

タイ語 一部英語宗教 人口の約95%が上座部仏教

実質GDP成長率 +2.9%(2013年)+6.5%(2012年) +0.1%( 2011年) +7.8%(2010年)
名目GDP総額 3659億USドル (37兆円) [2012年] 一人あたりのGDP  5,678USドル[2012年]

失業率 0.66%(2012年) 0.7%(2011年) 1.04% (2010年)
主要輸出品目 コンピューター、自動車、IC製品、天然ゴム
主要輸入品目 原油、産業機械、化学品

タイの地理は東にカンボジア、北にラオス、西にミャンマーとアンダマン海があります。南はタイ湾とマレーシアと国境を接します。国土はインドシナ半島の中央部とマレー半島の北部を占めています。インドシナ半島の南部に位置し513,120平方km2となり、日本の面積の134%になります。

タイの北部はインドシナ半島の中を流れる国際河川メコン川が流れます。メコン川は中国国土となるチベット高原に源流として中国の雲南省~ミャンマー・ラオス国境~タイ・ラオス国境~カンボジア~ベトナムを通り南シナ海に抜ける大型河川です。

2 タイの民族構成

タイの民族構成は内訳でタイ族75%、華人14%、その他マレー系、インド系、モン族、カレン族などがあります。タイ国内で話されている主な言語として、タイ語、イサーン語、クメール語などがあります。一部英語も観光地や上級職などでは通じます。タイ人の大半が上座部仏教を信仰しています。

東南アジア各国で展開している華僑人口で、タイの場合は1位のインドネシア―767万人に次ぐ2位でタイ―706万人とされています。

タイの人口に関しては「世界銀行2012年人口調査」では、2012年時点で6,679万人となっています。しかし少子高齢化・晩婚化が進んできていて実際に人口減少が開始するのは2030年ごろの見込みとなっています。

3 タイの経済成長率

タイの実質GDP成長率は2010年+7.8%、2011年+0.1% 2012年+6.5% 2013年+2.9%の成長率でした。
名目GDP総額は2011年 3456億USドル、2012年 3659億USドル 2013年 3872億USドル と増加しています。

一人あたりのGDPは2011年 5,115USドル、2012年 5,390USドル 2013年 5,674USドルとなっています。  ※タイ統計局 IMF統計データ2013年など

タイの主要産業は製造業、サービス産業が伸びていて中流階級の増大によるタイ国内市場の拡大に合わせ日本や欧米諸国の企業の工場の進出が増加しています。

タイの消費者物価指数は
2011年 100.00、2012年 103.02、2013年 105.27となっています。
一方で失業率は高くなく、2011年、0.68% 2012年 0.66%、2013年 0.72%となっています。
ホワイトカラーからブルーカラーまで優秀な人材を雇用するのが難しい一方、ブルーワーカーではミャンマー人、カンボジア人、ラオス人の増加が顕著となっています。

タイの総貿易額の金額(ドルベース)では
輸出  2285億USドル (2013年)
輸入 2507億USドル (2013年) となっています。

貿易品目に関しては
輸出上位品目   自動車・同部品10.7% コンピューター関連7.8% 精製燃料5.6% 宝石・宝飾品4.4%
輸入上位品目   原油15.5% 機械関連9.3% 宝石・地金銀7.1% 電気関連6.1%
となっています。

4 タイの政治体制

タイの政体は国王を元首とする立憲君主制です。2014年時点のタイ国王はラマ9世:プミポン国王となります。タイ国王に対しては国内で不敬罪が存在し、“不敬”とみなされた王様への侮辱行為は処罰対象になります。

タイは1932年の立憲革命を経て、議院内閣制を採用。憲法において信仰の自由、言論の自由、出版の自由、集会の自由、結社の自由、政党結成、通信の自由が保障されています。しかしながら長い間民政と軍政を繰り返していて
2000年以降はタクシン支持派、反タクシン支持派が政治的に対立をしていてたびたび軍事クーデターがおき、軍事政権が樹立する現象が繰り返されています。

2011年7月総選挙が実施され、議会代表院総選挙でタイ貢献党(プアタイ)は選挙前より79議席も増やして500議席中265議席を獲得、過半数を制して勝利しました。その中で党首として戦ったタクシン氏の末妹であるインラック・シナワトラ女史が第36代首相に就任。タイ史上初の女性の首相となりました。

5 タイの魅力とデメリット

タイでは2013年のタイのGDPは約3871億ドルで東南アジアではインドネシアに次ぐ経済規模です。早くから製造業の誘致を進め、バンコク郊外での進出誘致に大幅な減税スキームを提案。日系自動車メーカー各社が巨額の設備投資を進めています。タイ投資委員会BOIにおける海外企業の積極的な進出によって1980年~1997年まで高度経済成長が続きました。バーツの売りによって始まったアジア通貨危機(1997年)はトムヤンクン・クライシスとも英訳されます。

農業では長年、世界最大のコメの輸出国でしたがインラック政権における2011年、2012年、2013年のコメ担保融資制度により輸出量は大きく減少してしまいました。

タイの魅力には

  1. 親日国家 王室の敬愛が強い国
  2. 中コストの労働力 労働者コストは400ドル~600ドル/月給
  3. 外資優遇政策 タイ投資委員会の恩典
  4. 医療先進国 ホスピタルツーリズム先進国。 世界中から医療を求め患者が集まる

などがあります。

またタイの懸念材料では

  • 人口が6,700万人規模、早々に少子高齢化になる可能性が高い
  • 政情不安が継続。たびたびクーデターが発生し政治が麻痺する
  • 2011年度の未曾有の大洪水において製造業が麻痺する

1:親日国家 王室の敬愛が強い国

タイは親日国家であり、中国や韓国に比べて日本に対するイメージが圧倒的に良い国です。またタイは王室へのイメージが極めて高く、国王への敬愛が深い国です。一方でタイ国王へ対する侮辱や不適切な発言は刑罰の対象となり、
不敬罪が適用されます。アニメ・マンガ、ファッション、カルチャー、海外旅行、日系ブランドなどの第1印象、イメージはとても良いものとして受け入れられます。

2:中コストの労働力 労働者コストは400ドル~600ドル/月給

インラック政権の政策により2013年度から1日の法定最低賃金を一律300バーツに変更されました。また大卒公務員の月給給与1万5000バーツと変更しています。またSME中小企業向けに法人税は 現行の30%から2年間で20%に引き下げました。

大卒初任給はおおよそ15,000バーツからで優秀な人材や日本語を話すことの出来る人材は給与の高騰が続いています。失業率は1%を切る状況が続いていてタイ政府統計局がまとめた2011年3月のタイ国内失業率は0.7%となり、2010年同月の1.0%を下回ったことが発表されています。

3:外資優遇政策 タイ投資委員会の恩典

これまでタイ投資委員会BOIではバンコクから距離のある地区への投資へ向けた投資恩典を与えていました。結果、大手日系自動車、大手電機メーカーなどの企業は進出を開始し7,000社以上の日本企業が進出済みです。既に自動車の生産台数は200万台を超えていて300万台を数年内に目指すとしています。タイ国内の販売シェアはTOYOTA、NISSAN、ISUZU、HONDA、SUZUKI、MAZDA、MITSUBISHIで日系自動車メーカーで90%を越え、2012年度自動車生産は過去最高の245万台(+68.3%増)。タイの国内販売は143万台(+80.9%増)でした。

今後、タイ投資委員会の2015年以降の新制度では 特定産業を奨励する制度と変更される予定です。
特に重点政策として10分野を上げています。
「タイの経済構造改革にとって非常に重要」として
1 基礎インフラ/物流  2 基礎産業→鉄鋼・石油化学
3 医療・科学機器   4 代替エネルギー/環境サービス
5 支援サービス産業  6 高度先端技術産業
7 食品農産物加工業  8 ホスピタリティ&健康産業
9 自動車輸送産業    10 電子機器産業

4:医療先進国 ホスピタルツーリズム先進国。世界中から医療を求め患者が集まる

タイは医療先進国です。国際医療水準JCI認証を得ている機関は14病院(2012年度)。医療のために同国を訪れるホスピタルツーリズム者数は総数の10%になると言われています。2013年度はおよそ2,600万人の海外旅行者が同国を訪問していますがその1割は医療目的であり、医療検査、治療、リハビリなどで訪れているとされています。

タイの私立高級病院のバムルンラード・ホスピタルBumrungrad International Hospital(BH)では2015年の売上を前年比+10%以上を目指すとし、海外と国内での出張所の増加で海外の患者数およそ100万人以上の患者を予想します。2014年度は110万人になる見通しで、2015年度はタイ全体で300万人以上になるとしています。

一方でタイの懸念材料では

■人口が6,700万人規模、早々に少子高齢化になる可能性が高い

タイは人口が7,000万人規模でピークを迎えるとされていて、2010年度の65歳以上の高齢者は約614万人と人口の8.9%を占めており、東南アジア地域の開発途上国の中(シンガポールを除く)で最も高齢化が進んでいくとしています。(2010年)タイでは2001年に高齢者が7%以上を占める「高齢化社会」に突入しましたが、2024年は同割合が14%以上となる「高齢社会」となると推計されています。2050年には高齢者が25%を突破する見込みになっています。

タイ王国の平均年齢は33歳であり(2012年度)、フィリピン、ベトナム、近隣の国と比較してやや高い年齢層が国の中心となっています。

■政情不安が継続。たびたびクーデターが発生し政治が麻痺する

2006年度のクーデター後、2008年総選挙、再び2013年度総選挙と国民の総選挙の民意はすべてタクシン派の勝利で終わり、誕生したインラック政権は2011年度は洪水被害への対応、2012年度は経済政策など安定的な政権運営を進めました。2013年度は大規模インフラ計画の政策などを推し進める中で11月になるとタクシン元首相の恩赦へつなげる法案に対する大規模デモが発生しステープ元副首相・元民主党幹事長率いる「人民民主改革委員会:PDRCが主導するバンコク首都機能閉鎖デモなどが発生するようになりました。

2013年12月インラック首相は下院を解散、翌2014年2月に総選挙が実施されましたが憲法裁判所は同選挙を無効と判決。

5月20日未明にプラユット陸軍司令官は戒厳令を発令し22日夕方に軍事政権が主導する「国家平和秩序維持評議会:NCPO」がクーデターを発令しました。

2015年後半には民意を問う総選挙を実施するとしています。

■2011年度の未曾有の大洪水において製造業が麻痺する

タイの大洪水は2011年のモンスーン期にタイの北部~中部、バンコク都内で発生した大洪水で、雨期の段階で膨大になったダムの貯水を放出する時期とタイミングを間違え、また予想以上の雨量の影響でチャオプラヤー川流域で大規模な被害を出した結果、日系企業にも甚大な被害を及ぼし7つの工場が被災し、数ヶ月に渡って操業停止になりました。

世界銀行の2011年推計では、自然災害による経済損失額の大きさでは、日本の東日本大震災、阪神大震災、アメリカのハリケーン・カトリーナに次ぐ史上4位と推計されています。

6 タイの歴史

1238年 スコータイ王朝(1238~1438年)
13~14世紀頃、メコン河流域に点在していた小国家がまとまり、
1238年、シー・インタラーティット王が独立を宣言、タイ民族初の統一国家・スコータイ王国が設立、
1257年にスコータイでスコータイ王国を建国しました。
クメール王国の衰退後大きく勢力を伸ばして、ラオスやシンガポールの方にまで拡大しました。

1296年 ランナータイ王朝(1296~1558年)
スコータイ王朝と平行して北部の方では、メンライ王によりランナータイ王朝が建国されました。
チェンマイを都に置き、メコン河中域の小国家だったヴィエンチャンを支配下に置くなど勢力を広げましたが
1558年にはビルマのタウングー王朝の属国となりました。

1351年 アユタヤ王朝(1351~1767年)
ウー・トン候はアユタヤに都を移し、自らをラーマティボディ1世と名乗り、アユタヤ王国を建国しました。
それ以降は、歴代34人の王による統治が400年続く一大王朝となります。
一時はビルマのタウングー王朝属領となりましたが、17世紀初頭には再び政権を取り戻しました。
1765年、再びビルマのコンバウン王朝に侵攻されてアユタヤ都は徹底的に2年間の戦いで破壊されてしまいました。

1767年 トンブリー王朝(1767~1782年)
アユタヤの将軍だったプラヤー・タクシンが自ら王となり、バンコクの対岸にあるトンブリーを新都として
建国しました。その後1782年将軍だったチャオ・プラヤー・チャクリーのクーデターにより崩壊します。

1782年 チャクリー(ラタナコーシン)王朝(1782~現在まで続く)
タクシンを倒した後チャオ・プラヤー・チャクリーが王都をトンブリーの対岸のバンコクに遷都。
チャクリー王朝ラーマ1世となります。イギリスなどの列強がアジアを訪れるようになり
1855年ラーマ4世はイギリスとの間に自由貿易を原則とする条約を締結。
ラーマ5世(チュラロンコーン大王)は奴隷制度、労役を廃止し、司法・行政制度の整備、
近代国家としての経済推進などを進めました。

1932年 人民党によるクーデター:立憲革命は、タイの政府を絶対君主制から立憲君主制へと移行させました。
1940年 日泰和親友好条約を締結。日本軍に協力する姿勢を打ち出します。

1945年 日本敗戦後は親米政策を採り、冷戦期は、ビルマ、ベトナム、カンボジアおよびラオスの近隣諸国の共産革命に
脅かされ、タイは共産主義の防波堤として米国の支援を受けつづけました。
1946年 プーミポン・アドゥンラヤデート(ラーマ9世)が即位しタイ王国で最も長く王位に就いています。

7 タイの財閥・国営企業

1: タイの食品財閥最大手CPグループチャロンポカパーン・グループ

チャロンポカパーンフーズ(CPF)は農業分野の旗艦企業。2012年度売上3789億バーツ(100億ドル)同グループは謝家(チエンワノン家)が基礎を作ったコングロマリット(複合企業)で、家畜用飼料の製造業者として設立。多角化を進め、エビの養殖・販売や鶏肉の生産・加工・販売なども取り扱いを始める。タイ国内における最大の食品企業である。農業分野以外に食料品の分野を中核事業として、通信分野“TRUE Group”、不動産分野”CP Land” コンビニ分野”CPALL”などに進出し、全部で8つの分野で事業を展開している。国際的には、ASEAN各国や中国などを中心に世界13カ国に進出している。特に、中国へは積極的に進出しており正大集団(チアタイ集団)として知られ、中国最大の外資系企業となっている。

2: タイのツナ缶財閥大手 タイ・ユニオン・フローズンプロダクツ(TUF)

タイ・ユニオン・フローズンプロダクツ(TUF)は欧米アジアに工場を持ち、2012年の売上高は1077億4800万バーツ(30億ドル)。代表者はティラポン・チャンシリー氏。創業者は華人出身のグライソーン・チャンシリー氏で、1977年創業。小さなエビ生産工場から始まり、欧米企業向けのM&Aを繰り返すことで急成長を果たす。アジア通貨危機の1997年には破綻した米大手を37億円で、リーマン・ショック後の2010年には仏最大手を860億円で傘下に収めた。2010年8月 タイユニオンフローズンTUF(TUF)はフランスの海鮮生産会社を買収。MWBrands 社を6億8000万USドルで購入。MWBrands はヨーロッパでのツナ缶、海産物のマーケットリーダーで John WestPetit Navireブランドを展開していた。

3: タイのビール財閥大手TCC グループ

TCC グループはタイの富豪、ジャルーン・シリワタナパクディー氏が率いるコングロマリット。1944年、バンコクの中華街生まれの中国系タイ人で中国名は「蘇旭明」。酒造業に参入して、蒸留酒、ビール、不動産、金融、
消費財などを手がける巨大財閥を一代で築いた。傘下企業はタイのアルコール飲料最大手タイビバレッジ(THBVE) シンガポール証券取引所上場
不動産大手TCCランド:未上場
消費財大手ベーリユッカー(BJC)タイ証券取引所上場
コーラ生産・流通サームスック(SSC)タイ証券取引所上場
緑茶・日本食チェーン大手オイシ(OISH)タイ証券取引所上場
フォーブス2012のタイ富豪部門で、資産総額62億ドルで資産規模3位と発表されている。

4:タイの栄養飲料財閥大手 TCファーマシューティカル(未上場)

チャリアオ・ユーウィッタヤー(2012年死去)総資産50億ドルとも言われる。1978年に設立されたTCファーマシューティカル・インダストリーにより、「Krating Daeng」タイ語で、「赤いガウル」の名前でタイで開発された。1984年にオーストリア人のディートリッヒ・マテシッツが国際販売権を獲得。Red Bull「レッドブル」の名称で販売開始。

レッドブルエナジードリンクはヨーロッパ地域は元より、北アメリカ地域や、オセアニア、アフリカ、そして、アジアにも進出した。「レッドブル、翼を授ける。(Red Bull Gives You Wings)」のコピーが使われている。レッドブルは日本を含め、世界160か国以上で販売されている。世界で初めてのエナジードリンクとして売上・シェアともに第1位で、2009年の売上げ本数は39億本で、売上額は32億6800万ユーロ(約3500億円)である。

5:タイのビール財閥大手 シンハー・コーポレーショングループ

タイで最も古いビール会社であるブンロート・ブルワリー株式会社は、1933年に. ピャ・ビロムシャクディによって設立。シンハー・コーポレーション社はその子会社となる。

ブランド名「シンハー」「レオ」「B-ing」などの飲料を展開。3カ所のビール醸造工場、6カ所の飲料水工場を保有。売上高は2012年、1030億バーツ(3000億円規模)。

6:タイの製糖財閥大手ミトポン・グループ

ミトポンシュガー社はタイの最大手の製糖事業者で、世界第5位の製糖事業会社。会長はIsara Vongkusolkitイサラー・ウォンクソキット氏。サトウキビ生産、製糖事業で53年の歴史があり、マーケットリーダー。5つのコア事業があり、製糖事業、合板・パーティクル事業、バイオエナジー事業、エタノール生産事業、倉庫物流事業を展開。中国とラオスにも支店を持つ。

製糖事業4位には上場企業コンケンシュガー(KSL)社がある。リクシルLIXIL社はタイの木質ボードメーカーPanel Plus社とサトウキビの搾りカス(バガス)を原料とした「バガスボード」の生産技術供与をしている。バンプー(BANPU) 会長ChaninVongkusolkit氏は兄弟倉庫会社United Standard Terminal社のVitoonVongkusolkit氏は兄弟

7:タイの野菜飲料大手ティプコ・フーズ(TIPCO)グループ

ティプコ・フーズ(TIPCO)は飲料事業ではTipcoFoods(Thailand)社:創業者ViwatLimsakdakul:ヴィワット・リマサクダクル氏で設立は1976年。2012年度の売上は58億5500万バーツ。またアスファルト事業としてティプコ・アスファルト(TASCO)もタイ証券取引所(SET)に上場している。売上規模は384億1400万バーツ。

TIPCOグループ子会社のTipcoF&B社は1989年にバンコク市で設立され1993年に果汁100%飲料「Tipco」ブランドを発売しタイ国内で果汁飲料No.1ブランドのポジションを築いている。2007年サントリーとTipcoF&B社は業務提携と50%の出資をし果汁飲料はTipcoブランド、機能性飲料や茶系飲料はサントリーブランドを販売し、東南アジアでの事業を拡大していく。

8:タイのゴム生産タイ国最大手スリトラン・アグロインダスリー(STA)

天然ゴムは東南アジア域内で70%が生産。タイ,インドネシア,マレーシアの3カ国が主な生産国。スリトラン・アグロインダスリー(STA)社はシンガポール証券取引所(SGX)にもダブル上場している。ウィヤウッド財閥により設立されたゴムの製造・輸出会社Viyavood Sincharoenkul氏が株主天然ゴム生産を中心として、RSS(=Ribbed Smoked Sheet)スモークシートゴムブロックラバー、ラテックスのゴム原材料を生産。タイ南部ソンクラー県のゴム工場から創業していて2つの自社工場トランとソンクラーで事業を拡大。1991年にはタイ証券取引所(SET)に上場。グループ傘下企業21社、工場14カ所、従業員約7000人という規模へ成長。

9:タイの消費財財閥大手サハ・グループ

サハ・パタナビブングループは1942年に創業者のティアム・チョクワタナー(Thiam Chokwatana)が立ち上げた消費企業グループ。現在はタイ国内を中心に300以上の関連会社を抱える。「PAO」持株会社であるSAHA PATHANA INTER-HOLDING (SPI)消費財を扱うSAHA PATHANAPIBUL (SPC)となっている。

2012年度SPCの売上は257億バーツ(750億円) 1997年より、毎年6月から7月にかけてタイ国内で「Saha Group Fair」として、グループ各社及び業務提携先の商品を一同に集めた展示会を開催。

タイ国内において日本企業との合弁を積極的に進めていて、主な合弁相手としてはワコール、イトキン、ライオン、資生堂、ツルハ、ダイソー、早稲田大学、文化服飾学園など消費財、ファッションや化粧品・ドラッグストア関連企業が多い。

10:タイの金融大手バンコク銀行・グループバンコク銀行(BBL)

同銀行はタイ国内大手銀行で資本金規模で第1位の銀行。日本にも東京新橋、大阪にも支店を持つ。オーナーのソーポンパニット(陳)財閥はタイの大手商工業の分野で広範囲な企業の株式を保有している金融財閥で同行の総資産額は2兆4188億バーツ(およそ7兆円)フルバンキングサービスを提供していて、投資、保険、預貯金すべてを取り扱っており、インターネットバンキングサービスも導入している。2007年末時点で804の支店、3600を超えるATM機を設置している。19の海外支店を展開。証券会社ではブアルアン証券(BLS)工場レンタルを行っているタイコンインダストリアル(TICON)保険部門ではバンコク損害保険(BKI)資産運用などではブアルアン・アセットマネジメント社が中心に動いている。

11:タイの金融大手カシコーン銀行・グループ

タイ国で資本金の規模で第3位の銀行。最近では日系企業・日本の地方銀行との取引も積極的に開始している。タイのラムサム財閥が経営をする商業銀行。1945年に設立。総資産額で2012年末2兆700億バーツ。2003年まではタイ農民銀行の名前で知られていた。

カシコーンバンク(K Bank)
カシコーンリサーチセンター(K Research)
カシコーンファクタリング(K Factoring)
カシコーンアセットマネジメント(K Asset)
カシコーンセキュリティーズ(K Securities)
カシコーンリーシング(K Leasing)などの総合金融サービスを提供。

日本の地方銀行(十六銀行:岐阜県、百五銀行:三重県、京都銀:京都府、北陸銀:富山県、東京都民銀行:東京都、群馬銀行:群馬県、八十二銀行:長野県、広島銀行:広島県)と連携している。

12:金融セメント・メディア大手 ラタナラック財閥グループ

タイの金融大手アユタヤ銀行・グループ。2012年末の資産規模は1兆719億バーツで3兆円規模。同銀行を管理しているのはラナタラック(李)財閥で、テレビ局大手チャンネル7を経営しているBangkok Broadcasting & Televisionを1967年に設立。CH7はプライムタイムで45%と言う圧倒的なシェア放送局。タイソープドラマ系ではかなりの強さを誇る。総帥はクリット・ラタナラック氏。父親のチュアン氏が創業したアユタヤ銀行(BAY)、サイアム・シティ・セメント(SCCC)の株式を大量に保有。Bangkok Broadcasting and Television (BBTV)はラタナック財閥はイースタンプロパティ、メディアオブメディアス、トンソンプロパティなどにも出資している。

13:タイの高級不動産大手 ランド&ハウス・グループ

ランドアンドハウス(LH)はタイ国内では高級住宅開発、販売を手掛ける不動産開発企業。タイの不動産アサワボーキン財閥がオーナーの企業。一戸建て、高級コンドミニアムなどをデザイン性、高級家具類、高付加価値のある信用度の高いブランドとして販売。2012年度の売上は267億バーツ。ランドアンドハウスグループに属する企業は住宅金融ローンに強いランドアンドハウスリテール銀(LHBANK)
ホームセンターのホームプロ(HMPRO)
高級住宅・オフィスビル開発のクオリティハウス(QH)
建材企業のクオリティコンストラクション(Q-CON)など。

その他多数の財閥が存在する。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

月を選択