1. HOME
  2. ブログ
  3. 企業動向
  4. タイの宅配便市場、栄枯盛衰の状況 その1 【タイ:物流市場】 
ASEAN最新動向

Latest trends in ASEAN

タイの宅配便市場、栄枯盛衰の状況 その1 【タイ:物流市場】 

white box on white table

デジタル業界および宅配業界の情報筋によれば、Kerry Express(KEX) は2025年現在、親会社である中国の SF Holding グループ のもとで事業ポートフォリオの見直しを進めており、これは競争の激しい市場における「疲弊」を示しているとしています。

かつてタイ市場のトップに君臨していたKEXも、収益の鈍化や高騰する運営コストに直面し、物流戦略の見直しを余儀なくされています。
SFグループ内で採算の取れない事業の一部を閉鎖していることからも、「大資本=安泰」とは限らず、構造改革がなければ生き残れない という現実が浮き彫りになっています。

一方で、タイ郵便(Thailand Post) はタイ全国に張り巡らされたネットワークを持ち、地域データの蓄積、利用者からの信頼、そして社会に深く根付いたインフラという強みを活かし、安定した収益と利益を確保しながら市場に踏みとどまっています。

特に注目すべきは、民間企業が苦戦する中、タイ郵便が価格競争に頼らず、
地方の隅々までカバーする確実なサービスで、他社が手放した市場を獲得している点です。

また注目されているのが、「フラッシュ・エクスプレス(Flash Express)」です。
タイの物流ユニコーンの一つである同社は、創業者コンサン・リー氏のもと、短期間で物流インフラを築き上げ、365日年中無休のサービス やテクノロジーを強みとしています。

ただし、依然として赤字経営が続いている ことが課題です。
フルフィルメントセンターの拡充や越境物流など、さまざまなサービス拡大を進めており、今後の利益化に向けた投資として、将来的な黒字転換の可能性は期待されています。

現在、この業界で起きていることは単なる市場シェア争いではなく、明確に「投資重視の時代」から「持続可能性重視の時代」への移行を示しています。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事