タイの自動車保険の現状(ティパヤ保険Dhipaya Insurance)【タイ:保険】

2025年の後半に入り、タイの自動車保険は減速し、損害保険販売が大幅に減少しています。
一方でEV自動車向けの保険請求は急増しています。
Dhipaya Insurance(ティパヤ保険)およびタイ損害保険協会(TGIA)の会長Dr. Somporn Suebthavilkul氏によると、2025年上半期の自動車保険市場全体は+3%以上の成長率を維持しましたが、2025年下半期には減速する見込みで、通年では自動車保険の成長率は約1.5~2%程度にとどまると予測されています。
電気自動車(EV)保険に関しては、国民の間でEV購入に対する不安感が広がっており、EVの販売台数が顕著に減少する傾向が見られ、損害保険および自動車保険の保険料収入に影響を与える可能性があります。
一方で、すでに販売されたEVについても価格の引き下げが行われており、保険業界として対応策を講じる必要があります。
EV自動車保険の保険料引き上げの動向については、加盟保険会社への調査結果によれば、ほぼすべての会社でEV自動車保険の損害率(ロス・レシオ)が高い水準にあるため、今後はEV保険料の引き上げが段階的に進むと考えられます。
ただし、引き上げ率の程度は各社の損害記録(ロス・レコード)によって異なります。
2025年上半期時点では、自動車保険業界全体の平均損害率は約65%で、わずかに上昇傾向にあります。
タイの自動車保険事業は、金融機関の融資に対する厳しい姿勢、特にEV保険への融資が保険料に大きく左右されることから、減速傾向にあるとみられます。
Thaivivat Holding (TVH)タイヴィワット保険ではEV保険ポートフォリオは比較的小規模ですが、すでに保険料を値上げしたことがあり、これはEV車のリスク増加を理由としています。
損害保険大手のティパヤ・インシュランスDhipaya Insuranceの2024年度業績は売上151億8471万バーツ、純利益16億0345万バーツでした。
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