タイ工業団地公社(IEAT)は、洪水多発地域の工業団地を保護するため、洪水防御壁を建設【タイ:工業団地】
2025年9月、タイ工業団地公社(IEAT:Industrial Estate Authority of Thailand)のスメット・タンプラサート総裁は、洪水の監視区域に指定されている4つの工業団地における水害対策について発表しました。
対象となるのは、アユタヤ県のナコンルアン工業団地、バンパイン工業団地、バンワー工業団地、そしてサムットプラカーン県のバンプー工業団地です。
いずれの工業団地も最高レベルの備えを整えており、入居企業に安心を与える体制を確保していると述べました。
2025年9月時点での水位は平常通りですが、IEATは油断することなく、特に河川沿いや氾濫水路における厳重な監視を続けています。
2024年には多くの地域で水害が発生しましたが、IEATの工業団地は被害を免れ、同公社の防災システムの有効性が示されたとしています。
これまでに総額18億5,700万バーツを投じて、以下のような洪水防止設備を整備しています。
ナコンルアン工業団地(アユタヤ県):堤防全長5.5km、高さは平均海面(MSL)から8.15mで、2011年の洪水時の最高水位(7.54m)を大きく上回っています。
バンパイン工業団地(アユタヤ県):堤防の高さは+6.00mで、2011年の洪水水位(4.28m)を十分に超えています。
バンワー工業団地(アユタヤ県):堤防全長11km、高さは+5.40mで、2011年の洪水水位(4.90m)を上回っています。
バンプー工業団地(サムットプラーカーン県):現在工事が53%完了しており、2026年4月までに完成予定です。
完成後は毎時16万立方メートルの排水能力を持つ見込みです。
さらに、IEATの洪水対策はインフラ整備にとどまらず、以下の4分野を包括しています。
構造物対策:堤防の維持管理および補強の継続的実施。
機械設備対策:高性能排水ポンプやバックアップシステムを即時稼働できるよう整備。
統合的対策:王立灌漑局など関連機関と連携し、リアルタイムで水位データを監視。
緊急対応:工場との合同防災訓練や効果的な警報システムの運用。
「2011年の大洪水の教訓から、長期的な安定のためには継続的な投資が不可欠であることを学びました。これらの投資は単なる資産防護ではなく、タイの産業が持続的に発展し、安心して投資できる信頼性の高い拠点であることを示すものです」とスーメート総裁は述べました。
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