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タイの小売・ホテル・不動産業界は、経済促進政策を訴え【タイ:不動産業 ・ ホテル】 

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タイの小売、不動産、観光業界は、新首相「アヌティン・チャーンウィールクル」体制下で経済回復を後押ししたいとして、政府に対し「クイックウィン(Quick Win)」政策を緊急課題として提示しました。これにより、乗数効果(マルチプライヤー効果)を高め、ポジティブな刺激を経済に波及させたいとの狙いです。

タイ小売業協会のナット・ウォンパーニット会長は、2025年10月以降の3か月間が短期的な景気刺激策を講じる重要な時期であると述べました。
特に、規模4兆バーツを超える小売セクターは、生産、サービス、雇用と密接に結びつく経済の“動脈”とされており、協会は以下のような施策を政府に提案しています。

支出促進(Spending Boost):即時消費を喚起し、経済循環を刺激
「コーンラックルアン(คนละครึ่ง)半分ずつ」制度の拡大版を導入
日額利用限度を150バーツから300バーツに引き上げ、月額1,500バーツを2か月間(10〜11月)まで適用
「Easy e-Receipt(イージー電子レシート)」フェーズ2導入:登録店舗での消費に対して、最大100,000バーツまでの利用を対象
対象商品を一般商品、OTOP(タイ国内生産品)、環境配慮型商品まで拡大
3か月(10~12月)期間で、経済に1,000億バーツ超の流動性を見込む

観光・買い物強化策:タイを「ショッピング・パラダイス」として打ち出し、訪日外国人の購買意欲を刺激していく目的です。
生活雑貨の輸入関税(現在20〜30%)を10〜15%に引き下げ
「即時付加価値税(VAT)還付制度」の実験導入:一定額以上の買い物に対し、店頭で7%還付
ロシア人旅行者向けにビザ滞在期間を30日から45~60日に延長
「時間制雇用(hourly employment)」を導入して雇用を拡充
学生、高齢者、非正規労働者らの雇用機会を増やし、小売店は混雑時間帯に人材を柔軟に配置

不動産界も「クイックウィン」を要求:タイのマンション協会、住宅協会、戸建て住宅協会など不動産団体が3つの緊急対策を提案しました。
不動産登記・抵当登録の減税枠拡大:現在は価格上限7百万バーツに限定
政策金利の0.50%引き下げを要請
新政権の首相との面談を通じ、追加の短期・中期政策を提案

さらに、10月30日〜11月2日に予定されている第48回「住宅・マンション博覧会」では、「Fast Track – 住まい購入の高速ルート」戦略を打ち出し、購入プロセスの簡素化と迅速化を図る予定です。

ホテル・観光界の懸念と対応:タイホテル協会(THA)のティアンプリット会長は、4つの主要課題とそれに対する改善策を提示しました。
観光客の安心・安全の確保:月2回の広報発表、オンライン詐欺・旅行詐欺対策
対中信頼醸成:タイ・中国交流やThailand-China Expoを活用
国境関連問題の早期解消:非常事態宣言の解除、開放国境、被影響ホテルへの低利貸付や税制支援
国内観光促進策:2026年5月1日よりロングシーズンでの「We travel together(เราเที่ยวด้วยกัน)」制度を導入、国が旅行費用の40〜50%を支援し、国民の国内旅行を促す

タイ観光局(TAT)は、「コーンラックルアンคอนรักเลื่อน」に続く「ツアー版コーンラックルアン」構想も準備中と発表し、観光消費拡大と国内旅行喚起を狙うとしています。

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