タイのプロテインミルク「HooRay!」は売上高10億バーツに到達、タイ市場は推定約35億バーツ【タイ: 食品・飲料業界ニュース】
タイでは近年「プロテインミルク」市場が急成長しています。
従来、プロテイン摂取といえば粉末を水に溶かしてシェイクするのが一般的で、パッケージデザインもハードコアな印象が強く、主にハードトレーニング層をターゲットにしていました。
このペインポイントを克服した「HooRay!」プロテインミルクは、2015年にTon Wongdet Iewsanurak氏、Jane Chachani Pruksalanan氏、Ake Pruksalanan氏の3人が共同で開発しました。
当時、タイにはプロテインミルクを開発する技術も知識もまだなく、最終製品発売までには3年近くかかり、一般の認知度が高まるまでにはさらに数年を要しました。
2025年には「HooRay!」が10億バーツの節目を迎えると予想されており、同社はタイ産プロテインミルクを国際市場へ展開するための検討を開始しています。
創業初期のフレーバーはプレーンとチョコレートの2種のみで、マーケティング予算をほとんど持たない小規模企業だったため、何よりも製品開発に注力し、「美味しく、飲みやすいプロテイン」をコンセプトに据えました。
COVID-19以前の売上高は、年間2,000万バーツ程度でした。
パンデミック後、人々が健康志向を高め、セルフケアの重要性を認識するようになったことが転機となり、全国規模の流通チャネルを提供するセブンイレブンへの進出もあり、売上高は数億バーツに達し、年間成長率100%を超えました。
全国展開するコンビニ大手セブンイレブンに導入されたことが決定的な飛躍につながりました。
導入前は1本69バーツでしたが、規模の経済が生まれるにつれて49バーツへと価格を引き下げ、幅広い層に手の届く商品となりました。
競合が少なかった時期に市場を先行し、急速に顧客基盤を拡大した結果、売上は100万本単位から年数千万本規模に拡大しました。
2023年売上は3億1500万バーツ、2024年には6億4400万バーツと倍増しました。
2025年には創業10年目にして初めて売上が10億バーツを突破する見通しとなりました。
タイのプロテイン市場規模は約35億バーツ(2025年時点)と推定され、「HooRay!」はそのうち5分の1以上を占めています。
ブランドは当初から「Protein Expert」を標榜し、消費者に専門性と信頼性を訴求しました。
「良い商品は自ら売れていく」という信念により、実際に顧客の声を積極的に取り入れながらフレーバーや新商品の開発を続けています。
現在ではワークアウト層だけでなく、日常的にタンパク質を補給したい一般層にも広がりを見せ、粉末タイプのホエイプロテインアイソレートも展開を始めました。
OEM生産を採用し、商品ごとに適した技術を持つ工場を選択する柔軟性も強みとなっています。
今後は毎年少なくとも1SKU以上の新商品を投入する計画で、2026年以降には海外市場への進出も視野に入れています。
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