2021年はパンデミックの影響を受け、タイ国内でほとんどのファッション部門が苦境に
立たされています。
「Espritエスプリ」「Bossiniボッシーニ」「Charles & Keithチャールズ＆キース」
「Anelloアネロ」などを展開するマイナーグループMinor Group(MINT)、
「Arrowアロー」「Guy Larocheギ・ラロッシュ」などを展開する
ICCインターナショナル社ICC International Plc(ICC)、
「Greyhoundグレイハウンド」
「Smileyhound by Greyhoundスマイリーハウンド・バイ・グレイハウンド」
などを展開するグレイハウンド社Greyhound Co(運営会社はマッドマン社
Mudman Plc(MM))といった大手ファッション企業は、
平均して前年比－20％～40％の減収となっています。
卸売店でのファッション製品の売上は70％以上も落ち込んでいます。

Greyhound Coのマーケティング・事業開発ディレクター
Dhitibhum Wongkiatkachorn氏によると、
Covid-19パンデミックが続いているため、
2021年第2四半期もファッション市場は低調に推移すると予想されています。

Greyhound社のビジネスは2021年第1四半期にかなり回復しましたが、
4月に新たな感染者が出たことで販売が中断されました。
5月に入っても感染が続いているため、業績は低迷しています。
さらに、モールでの客足も減少し、結果的に4月から5月にかけて、
同社売上は2020年同期比－30～40％減少しました。
消費者心理が弱まっているため、オンライン販売も
2020年第1四半期と比べ苦戦しています。

同社は、この低調な市場心理は2021年の第3四半期まで続くと
考えています。
このため、同社は、2つのファッションブランド
「グレイハウンド」と「スマイリーハウンド」の
新しいスポーツ製品ライン、および新しいファッションブランドの立ち上げを、
2021年の第4四半期まで延期します。
しかし、夏物コレクションの販売キャンペーン開始を2～3ヶ月早め、
2021年5月から6月30日までとしました。
同社はファッションショップを閉店せず、2021年中に大手百貨店に
2つの新店舗をオープンする予定です。

マイナーグループも同様の状況に直面しています。
同社は、タイ証券取引所に、SET上場企業であるマイナー・インターナショナル社
Minor International Plc(MINT)を通じ、
MINTの2021年1～3月の小売取引事業が－31％減の4億7,300万バーツに
なったと報告していますが、これは主にファッション事業における個人消費の低迷、
一部店舗の一時的閉鎖、Covid-19による観光業の減速が原因です。

MINT社の報告によると、2021年第1四半期末時点での店舗数は、
主にOVSとEtamブランドの閉店により、前年同期の473店舗から428店舗に
減少しました。
全428店舗のうち、77％はアネロ、ボッシーニ、チャールズ＆キース、
Espritエスプリ、Radleyラドリーなどのファッションブランドで運営されており、
23％は Joseph Josephジョセフ・ジョセフ、
Zwilling J.A. HenckelsツヴィリングJ.A.ヘンケルス、
Bodumボダム、Scomadiスコマディなどのライフスタイルブランドで
運営されています。

MINT社の最高戦略責任者Chaiyapat Paitoon氏によると、
グループがホテル事業と食品事業に注力しているため、
2020年から2022年にかけて、必要のない支出は停止する可能性が
あるとのことです。

サハ・グループSaha Groupのファッション・化粧品マーケティング部門である
SET上場企業ICCインターナショナル社のエグゼクティブ・バイスプレジデント
Thammarat Chokwatana氏は、同社の売上高は2021年第1四半期に20％～30％減少し、
売上の80％が小売店に依存しているため業績はまだ弱く、
ファッションが優先的に削減される項目であると述べました。

一方、SETに上場しているマックグループMc Group(MC)は、
同社の1～3月の売上高は+4.3％増の7億7,600万バーツでした。
同社はオンライン、デパートのコーナー、自社の独立店舗、
移動式トラックを含むマルチチャネルで。
Mc Jeansマックジーンズを販売しています。
同社の販売拠点は2020年の640店舗から633店舗に減少しました。
内訳は、直営店が337店舗、百貨店が290店舗、移動販売車が6店舗となっています。
また、2021年はガソリンスタンドにも出店する予定です。