タイ国際航空、中国事業の減速を乗り越えると発言【タイ:航空業】

タイ国際航空Thai Airways International (THAI)は、中国人観光客の来訪減少による影響を、多様化した国際市場によって緩和していると、最高経営責任者のチャイ・エムシリ氏が述べています。
同氏は、ブルームバーグテレビのインタビューで「タイとタイ国際航空の状況は異なります」と語りました。
タイ国境沿いの詐欺集団や中国人観光客に関する事件が大きく報道され、安全面への懸念が残っていることが、タイに対する消費者心理に影響を与えています。
中国の俳優ワン・シン氏が巻き込まれた事件が2025年1月に中国本土で拡散され、多数の予約取消につながり、中国人観光客が他の渡航先を選ぶ動きが広がりました。
2025年7月には、中国からの訪タイ者数が前年同月比で39%減少したとブルームバーグ・インテリジェンスは伝えています。
外国人旅行者全体も7.2%減少しており、中国人旅行者の減少がタイの観光依存経済に重くのしかかる可能性があります。
タイ国際航空は中国以外の市場、特に長距離路線において2~3%の成長を経験しています。
しかし、同社は事業拡大計画の実現に課題を抱えており、その一因は新たなリース旅客機の確保が難しい点にあるとしています。
追加機材は欧州路線の拡大に必要であり、新規購入したボーイング機が2027年から到着するまでの間を補うためのものです。
欧州、インド、オーストラリア便に対する旺盛な需要を背景に、2025年下半期の基幹事業からの利益(=売上ベース)が「堅調」に推移すると見込んでいます。
タイ国際航空Thai Airways International (THAI)社の2024年度業績は、売上1928億2100万バーツ、純利益マイナス269億3300万バーツでした。
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