1. HOME
  2. ブログ
  3. 企業動向
  4. タイの美容ブランドSEWA(セワ)は、リブランディングで事業を再生【タイ: 化粧品・リブランディング事業】
ASEAN最新動向

Latest trends in ASEAN

タイの美容ブランドSEWA(セワ)は、リブランディングで事業を再生【タイ: 化粧品・リブランディング事業】

タイの美容ブランドSEWA(セワ)の創業者・CEOであるBenjakitti Meksaenベンジャキッティ・メークサーン氏は、創業から約9年で経験した大きな危機とその克服について述べました。
同氏は、幼い頃から美容商材の販売に携わり、韓国から美容製品を仕入れていた起業家精神に富んだ人物です。

SEWAは、約9年間タイ市場で展開してきました。
2023年にはコンサルタントのアドバイスにより、「プレミアムマス」だったブランドのポジショニングを「マス(一般大衆)市場」へ大きくシフト、これまで強みとしていた高価格帯の「エッセンス(化粧水)」から、ニキビクリーム、洗顔フォーム、サシェ入りクリームなど、不慣れな低価格帯の多様な製品(50バーツ〜1,000バーツ)に手を広げました。
この戦略ミスにより、約6億バーツ近くあった売上が2億バーツにまで急落する大不振に陥りました。

顧客調査を行った結果、以下のような意見が出ました。
・ブランドが「芸能人ブランド」のイメージが強く、製品への信頼感がない。
・製品のパッケージや、高麗人参成分による香りが「古い、年寄りくさい」と感じられ、使用したくない。
この結果を受け、CEOはブランドイメージの刷新を決意しました。

そこで、SEWAは約9年ぶりに大規模なリブランディング(再構築)を行いました。
製品ラインナップを絞り込み、低価格帯の在庫はオンラインで一掃しました。
かつての強みである「水トリートメントエッセンス」をヒーロープロダクト(主力商品)として再度注力しました。
「Sewa Glow Reborn」というキャンペーンを開始し、ブランドの再生を図りました。
製造については、韓国の世界的ブランドも手がける工場と提携し、プレミアムな製品価値を取り戻しました。
また、ロゴを変更し、ブランドアンバサダーには、若者を代表するジェンイェ氏を起用し、古いイメージを一掃しました。
屋外広告(OOH)・オフィスビル内媒体・インフルエンサー施策などに5,000万バーツ以上を投じて、ブランド認知の刷新を進めました。

今後の目標として、2026年中期までに収益性を回復し、利益を生み出せる体制を整えるとしています。
過去の損失と教訓を踏まえ、ROIやP&Lを厳密に分析し、流通チャネルや営業体制を見直し、「大きな市場・大きな数字」に惑わされないよう注意を払っています。
今後はまずタイ国内でブランド基盤を強化し、将来的には中国市場への進出も視野に入れています。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事