2025年9月、PLANBとVGIは早期総選挙の見通しにより広告需要拡大へ期待【タイ：広告メディア業界】

2025年9月5日、タイ下院(定数500名)は、新首相選出のための議員投票を行い、最大野党「国民党」の支持も取り付けた保守派野党の「タイ誇り党Bhumjaithai Party」のアヌティン党首が選ばれました。

タイ地元メディアによると、タクシン元首相派の最大与党「タイ貢献党」のプームタム暫定首相は9月3日に下院解散を国王に申し立てていましたが、差し戻されています。

下院議員492名のうち、アヌティン氏は311票を獲得し、必要な過半数(247)を大きく上回りました。
タイ誇り党の議席は69、国民党143議席に加え、貢献党を含む一部与党議員らも支持に回ったことから、アヌティン氏は過半数を得ました。

ただし、国民党は野党にとどまるため、アヌティン氏が首相となっても少数与党による連立政権となります。
国民党は所信表明演説から４カ月以内の下院解散と憲法改正のための国民投票を支持の条件としており、同党が約束を守らない場合などは政治が不安定化する可能性があります。

この決定を受けて、広告大手で屋外広告大手のPlan B Media(SET: PLANB)の株価、鉄道や駅内広告のVGI Public(SET: VGI)の株価がそれぞれ上昇しました。

カシコン証券では、PLANBやVGIのような屋外広告メディア企業は、タイ国内の政治動向によって追い風を受けていると指摘しています。
今後、議会が解散され総選挙が実施される場合、屋外広告メディア業界が選挙期間中の広告費増加によって大きな恩恵を受けるとアナリストらは見ています。
タイ国内の選挙運動の活発化に伴い、各政党がキャンペーンやイベントを強化することで、広告枠やプロモーション活動への需要が高まることが予想されています。