タイの政治

今回の大規模の反政府運動のきっかけは
2010年2月にタイの最高裁判所が、タクシン氏が首相在任中に職権を乱用し不正蓄財したとして資産の
60%にあたる464億バーツ、日本円で1200億円の没収を命じる判決を出したことによる
報復措置とも見られています。

タクシン氏は、タイ北部やタイ東北部の農村部、低所得者層の間で根強い人気があり、
これまでの既得権益を壊していった人物でもあります。
タクシン氏支持者グループは現政権が司法、軍部、都市部の伝統的なエリート層に
支配されているとして即時の下院解散、総選挙を要求しています。

2010年2月の最高裁判決でタクシン氏への新たな訴訟も予想され窮地に追い込まれつつあるタクシン派は、
「最後の戦い」と位置付けて大規模な反政府行動に出ました。
タクシン氏は集会の現場でビデオ演説をおこない、タイへの帰国と復権を希望し、民主主義を取り戻すまで戦うよう
支持者に呼び掛けています。集会者のほとんどは田舎から呼び集めていてその資金は
タクシン氏支持派から出ているものと見られています。

タイは東南アジアで最も安定している国と言われていた時代があり、日本の企業が次々と進出して
東南アジアの生産・輸出の拠点となっていました。2004年ごろから政治混乱が始まり
2006年クーデターや
2008年空港占拠、さらに2009年のASEAN首脳会議会場への乱入で中止に追い込むなど、
タイの経済全体、観光産業、製造業、サービス業などは打撃を受けています。

6000社とも言われる日系企業、45000人を越える日本人が長期滞在していて、
日本からの観光客も年に100万人。世界中から1500万人が来るタイの国だけに早期の解決が望まれています。