タイの情勢 2014年1月から3月、反政府デモとその影響

2014年度も3ヶ月が過ぎようとしているタイでは、マレーシア航空の行方不明
事件のニュースが大きく取り上げられた一方で、2013年11月から続いている
タイの政情不安に関する報道が続いている。
当初はインラック現暫定首相の退陣で幕引きかと思われていたものの、
双方で話し合いも付かず、3月21日にはタイ憲法裁判所が2月の総選挙に
ついて無効とする判決を下したこともあり、膠着状態のままである。
また、日本でもあまりニュースとして取り上げられなくなったものの、
反タクシン派グループはルンピニー公園に集約し時折デモ行進をおこない、
逆にタクシン元首相支持派グループも地方から集結しバンコクの西部地区で
集会を開始するようになった。

その前の週では同じくタイ憲法裁判所が、大型インフラ整備計画実施のための
政府による2兆バーツ特別借り入れを違憲とする判断を示し、中長期的な
インフラ開発プロジェクトにも影響を与え始めている。

デモ開始当初は、タイの経済の面では製造業に関してはバンコクの郊外エリア
が生産拠点、物流拠点であることから影響は軽微になると思われていたものの、
ここにきて高額商品である不動産、自動車などはタイ国内で販売台数の落ち込み
など数字に顕著に現れ始めている。

※タイ工業連盟が発表した2014年2月のタイの自動車販売台数は前年同月比
 -44.8%と大きく減少。
2012年にタイ政府が初回自動車購入者向けの補助金支給を終了したことで
前年度比でも大きく下落。
タイ国内自動車販売台数は2013年5月以降対前年比で連続して減少し続けている。
2013年10月  88,989台(-37.7%減)
2013年11月  93,123台(-37.2%減)
2013年12月 108,688台(-24.9%減)
2014年1月   68,508台(-45.5%減)
2014年2月   71,680台(-44.8%減)と大幅な下落が継続中。

2014年2月の同国自動車生産台数は、前年同月比-24%減の173,506台と8カ月
連続のマイナス。
そのうちで輸出向けは-2%増の91.476台と2カ月ぶりにプラス。
タイ工業省は2014年の通年の生産台数予測を下方修正していて、前年比-2%減
の240万台としている。

このような結果を受けて、タイの中央銀行Bank of Thailandでは政治的混乱
が継続する見通しを出しタイの経済成長率の下方修正を発表。
当初予測の+4.8%から大きく下げ+2.7%としている。
(2013年10月時点では5%成長を見込んでいた。)
理由として政情不安による観光旅行者の落ち込み、新規投資の落ち込み、
新規投資計画の遅延を挙げている。

マイナス要因の話が続いたが一方で成長と発展が続いている要素もまたある。

タイ政府では自動車生産台数年間300万台を目指すべく、アセアン域内で自動車
生産立国の基盤を固めるために「エコカー」プログラム・フェーズ2の申請を
受け付け、日系自動車メーカーではトヨタ自動車、ホンダ、日産、スズキ、三菱、
マツダの6社が参加を表明。
GM、フォード、VWフォルクスワーゲン上海汽車CP(中国資本上海汽車と
CPグループの合弁)の4社が参加を発表している。
今回の第2期のエコカープロジェクトでは生産設備投資へ65億バーツを投資、
排気量1300cc以下、23Km/Lの燃費などの車両基準、また4年目以降は年産10万台
を義務づけるなどの諸条件があるとしている。

このエコカープログラムでも税制恩典などあることから上記の10社が投資を
進めることで、さらにタイ国内自動車生産台数が増加することが予測されている。
また日系企業も製造業だけでは無く続々とサービス業の新規進出が増えている。

楽天、ユニクロはすでに進出を果たしているタイであるが今後はサービス分野
でもより日本に近いビジネス形態の進出が増加すると予想されている。
日本で中古車販売の大手チェーン・ガリバーインターナショナルがバンコクに
中古車店をOPENすると発表。
現在5店舗あるアメリカに次いでタイ進出が2番目、アセアン域内で800店舗の
チェーン展開を目指すとしている。

クリーニング中堅の喜久屋はタイ国内でクリーニングサービス拡充を図るため
にトンロー18にクリーニング喜久屋をOPEN。
タイ人富裕層から中間層、日系駐在員をターゲットに日本式のクリーニング
サービスを提供。
2014年内に10店舗を追加出店すること発表している。

すでに日本食レストランは2,000店舗近い状態で飽和になりつつあるものの、
今後はより日本のサービススタイルに近い業態が増えようとしている。