タイ国内コンピューターゲーム市場は2025年361億バーツとなる予測【タイ：ゲーム産業】

タイのコンピューターゲーム市場の価値は、プレイヤー数の増加、新規ゲームの発売、ゲームサービスプロバイダーによるプロモーションキャンペーンに牽引され、2025年は361億バーツに達し、2024年から＋1.6%増加すると予測されています。

タイのゲーム開発者にとってリスクとされているのは、国内不況、ゲーム開発技術と資金の不足、制作における生成型人工知能(GenAI)の使用などが挙げられています。
大手のゲーム開発企業は、特別な限定版アイテムを提供することで、ゲーマーがアイテム、キャラクター、ゲーム内通貨の購入にさらにお金を使うように促しています。

eスポーツもタイのゲーム業界成長を支えるもう一つの要因ですが、ゲームアカウント数の増加が鈍化したため、これらのゲーム市場の成長率は鈍化しています。

Newzooのデータによると、2024年にはタイのゲームアカウント数が4,200万を超え、2023年以降1,400万アカウント以上増加し、年平均で＋10％の成長を記録しました。
さらに、経済の減速はゲームやゲーム内アイテムの購入への支出に影響を与えています。

タイ国内ゲーム市場の低成長は、外国のゲームとの競争に直面しているタイのゲーム開発会社の売上減少にも起因しています。
2024年、タイ地元のゲーム企業の売上合計は、2023年より43.6%減少しました。
タイのゲーム市場価値の 97.8% は配信、輸入、著作権管理から生じており、主に外国のゲームによって牽引されています。

K-Researchは、同市場価値の58.3%を占める携帯電話ゲームへの支出が＋1.8%の成長を続けると予測しました。
国内プレイヤーの間で引き続き人気が続くと予想されるゲームの種類としては、マルチプレイヤーオンラインバトルゲーム、サッカーやシューティングゲームなどのスポーツ競技ゲーム、位置情報ベースのロールプレイングゲームなどが挙げられます。

一方、PCゲーム分野、コンソールおよび携帯型ゲーム機分野での支出は2025年増加すると予想されています。
これらのセグメントのプレイヤーは、通常、購買力が高く、競争的にゲームをプレイする可能性が高いプレイヤーです。
PCゲームセグメントはゲーム市場価値の 26.4% を占め、コンソールおよび携帯型ゲーム機セグメントは 15.3% を占めています。
K-Researchはまた、経済の減速によりプレイヤーの支出が減り、オンラインゲーム事業にリスクが生じると見ています。

タイのゲーム業界では熟練した専門家が不足しており、より大きな収益が見込めるミッドコアゲームやハードコアゲームなど、より複雑なゲームを開発する能力が制限されています。
タイのゲーム開発者には、海外市場で認められるために必要となるゲームコーディング、言語スキル、マーケティング、ビジネス視点の専門家が不足しています。