タイ企業、嗅覚・味覚のデジタル化技術を開発【タイ:AI・ディープテック産業】
タイのディープテック系スタートアップである MUI Roboticsは、嗅覚と味覚をデジタルデータ化する「センソリーAIプラットフォーム」を開発しています。
同社は、感覚データを活用した次世代AIの分野で、タイを世界的なリーダーへ成長させることを目指しています。
MUI Roboticsの共同創業者兼CEOである Wandee Wattanakrit 氏は、AI経済の時代ではデータが重要な資源となっており、これまで十分に活用されていなかった「感覚データ」が新たな可能性を持つと説明しました。
また、嗅覚や味覚のデータをAIが理解することで、現実世界をより包括的に認識できるようになると述べました。
同AI技術は「パターン認識」「推論」「感情認識」の3段階で進化しているとされています。
現在は推論型AIの段階にありますが、今後は人間のように感情や感覚を理解するAIの時代へ移行すると見られています。
既存AIが主に画像、音声、文章データを学習している一方で、人間が日常的に利用している感覚データは十分に活用されていないと同社では指摘しました。
食品業界では匂いによる品質判定、環境分野では悪臭による汚染検知、医療分野では呼気による疾病分析など、感覚データには幅広い活用可能性があります。
MUI Roboticsは、食品業界を中心に事業化を進めています。
センソリーAIを活用することで、実際の試作回数を減らし、仮想的な味覚シミュレーションによって食品開発を効率化できるとしています。
また、工場の臭気管理や品質検査への応用も進めており、検査精度や透明性の向上につながると期待されています。
同社は5年以上にわたり食品関連の感覚データを収集しており、現在は約2億件のデータを保有しています。
今後は数千億件規模まで拡大し、世界最大級かつ高精度な嗅覚・味覚データベースの構築を目指しています。
一方、タイAI市場について、AI Entrepreneurs Association of Thailand は、タイのAI市場が年間約30%で成長しており、2026年には500億バーツ規模に達する見通しを示しました。
ただし、タイ企業による市場シェアは依然として小さく、高度専門人材やAIスタートアップの育成が重要課題であると述べました。
また、センソリーAIは、工場や企業が現実世界をより深く理解するための新たな競争力になる可能性があると説明しました。
タイ商務省データから2024年度業績のMUI Robotics社は、売上2028万バーツ、純利益267万バーツでした。
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