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ブルネイの市場調査をする前に担当者が抑えておきたい基礎知識

ブルネイに進出する企業のご担当者が最低限知っておきたいブルネイの市場調査に関する基礎知識をまとめてご紹介します。

1 ブルネイ概要データ

東南アジアのイスラム教国で、イギリス連邦加盟国です。石油や天然ガスの資源が豊富な国であり、一人あたりのGDPもシンガポールに次ぐ順位となっています。同国はボルネオ島:カリマンタン島北部の一部を領有としていて北側が南シナ海、海を隔ててベトナム、南側陸地ではマレーシアに囲まれています。同国の首都はバンダル・スリブガワンになります。

国・地域名

ブルネイ・ダルサラーム国  Brunei Darussalam

面積

5,770平方km(日本の1.5%)

人口

40万人(2013年IMF人口調査)

首都

バンダルスリブガワン 人口14万人(2010年)

言語

マレー語(ブルネイ・マレー語)

宗教

宗教はイスラム教が国教
※ブルネイ政府首相府経済企画開発局2012データ

正式名称は、ブルネイ・ダルサラーム国(Brunei Darussalam)略称はBruneiとなります。

ブルネイの地理はボルネオ島:カリマンタン島北部にあり、マレーシアに囲まれています。同国は4つの地区に区分されていてBelait地区 Thtong地区 Brunei&Muara地区 Temburong地区と、39の郡に分類されます。ブルネイ・ムアラ地区が首都 バンダルスリブガワンで247,200人が居住します。

同国の面積は日本の三重県とほぼ同じくらい。ブルネイの標高最低点は0m、最高峰はパゴン山:1850mとなっています。

2 ブルネイの民族構成

ブルネイの民族に関して40万人の国民の中で
マレー系 67%、中国系 15%、先住系諸民族ケダヤン族(先住部族集団) 6%、その他 12%と分類されています。

同国憲法はマレー語を公用語と定めていますが母国語としていません。マレー語を表記文字としてアルファベットとジャウィ文字を公用語としています。
日常ブルネイで話されるのは Bahasa Melayu(標準マレー語)ではなく ブルネイ語 Bahasa Brunei(ブルネイ・マレー語 Brunei Malay)となります。

東南アジア各国で展開している華僑人口で、ブルネイの場合はおよそ15%で6万人規模とされています。1984年のブルネイ独立時に同国内の華僑はブルネイの国籍を取得するかどうかの選択を迫られました。しかし多くの華僑住民は国籍を取らず、永住権のみを取得しました。

国是は、マレー・イスラーム・王制(Malay-Islam-Beraja: MIB)の3本柱「マレー主義、イスラム国教、王政擁護」を掲げています。

3 ブルネイの経済成長率

ブルネイの経済成長率は の統計データに寄れば
実質GDP成長率は2011年+2.2% 2012年+0.9% 2013年 -1.8%の成長率でした。
名目GDP総額は、2011年 166億USドル、2012年 169億USドル 2013年 164億USドル と増加しています。
一人あたりのGDPは 2011年 42,435USドル、2012年 42,402USドル 2013年 39,658USドル となっています。
※IMF統計データ2013年など

ブルネイは石油・天然ガス資源が豊富にあり、主にそれらを諸外国へ輸出することで外貨を稼いでいます。産出量に関しては石油:15.9万バレル/日,
天然ガス:3.8万立方メートル/日です。※Brunei Darussalam Statistical Yearbook 2012同国は石油、天然ガスの輸出で、国内経済は非常に経済は潤っています。石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めています。

同国の食料品はそのほとんどを輸入に頼り、物価もやや高めとなっています。一人当たりのGDPは約IMF統計で40,000ドル前後で、国内の医療費が無料、
所得税が無いなど社会福祉制度を充実させ、国民も恩恵を享受しています。

しかし、いずれ枯渇する可能性のあるブルネイ国家を支えてきた石油や天然ガスの生産から脱却し、経済の多角化、社会基盤整備、人材育成などを目標に政策が進められています。

また日本にとってブルネイは重要なエネルギー供給国であり、
輸出:ブルネイ→日本は主に 石油・天然ガス
輸入:日本→ブルネイは 主に 車両及びその部品などが貿易品目になっています。

通貨ではブルネイ/ドルが流通していて1ブルネイ・ドル=約81.5円(2014年5月時点)でブルネイ・ドルはシンガポール・ドルと等価交換されています。
ブルネイの総貿易額の金額(ドルベース)では
輸出  129億USドル (2013年IMF)
輸入 35億USドル (2013年IMF)
と大幅な輸出超過になっています。

貿易品目に関しては
輸出上位品目   天然ガス(44.7%),原油(51.8%)
輸入上位品目   機械・輸送機器(36.6%),工業製品(20.4%),食料品(13.3%)となっています。
輸出上位国は、日本、韓国、インドネシア、輸入上位国はマレーシア、インドネシア、シンガポールになります。

4 ブルネイの政治体制

ブルネイの政体は立憲君主制となっていてスルターンの称号を有する国王が国家元首となります。
同国の首相は国王が兼任していて、閣僚は国王によって指名されます。宗教的問題などの宗教会議、憲法改正などの枢密院や王位継承に関する諮問機関である継承会議があります。立法機関は、一院制の立法評議会になります。1970年に選挙制から国王任命制となっています。

ブルネイは、完全独立を果たした後の1984年にASEANに加盟、同年に国際連合に加盟しています。
その後、イスラム諸国会議機構(OIC)、アジア太平洋経済協力(APEC)、イギリス連邦にも加盟しています。

領土問題としてブルネイは南沙諸島:スプラトリー諸島の問題を抱えていて、中華人民共和国、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムと論争を起こしています。

5 ブルネイと日本の関係

ブルネイと日本国との関係においては天然ガス・石油のエネルギーの貿易を主体とし同国が英国領だったころから関係性が続いています。1969年に石油の輸入開始。1972年に天然ガスの輸入開始しました。

また日本とブルネイの皇室と王室の関係は国交樹立から30周年の節目にあたる2014年現在まで良好な関係を築いています。

6 ブルネイの歴史

ブルネイの歴史は
1521年  ブルネイ湾にマゼラン艦隊が入港

16世紀  現在まで続く王国のムハンマド・シャーが即位して現代に続くブルネイ国家の基礎を確立します。
国教をイスラム教に定め周辺諸国へ布教することにより領土を拡大していきました。
第5代スルタン・ボルキアの統治下,サバ州,サラワク州及びフィリピン南部を統治して
ブルネイ王国の最盛期となります。

17世紀以降、西欧列強による東南アジア植民地化の波が押し寄せるようになります。

1888年 英国と保護協定を結び,外交を英国が担当するようになります。
1906年 内政を含め英国の保護領となります。その後1959年 内政の自治を回復。
1962年 アザハリの反乱。 非常事態宣言を発布。
1984年 英国から完全独立。

となっています。

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