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タイの2016年度の10大ニュースに関して

1位:2016年10月13日、タイ王室庁からプミポン国王陛下御崩御の発表

数時間前からネット上や外国報道機関では一部情報が流れていた
ものの、公式的には19時にテレビ一斉放送で首相府から
発表されました。
プミポン国王(88歳)が同日午後15時入院先のバンコクの
シリラート病院で逝去されました。
数日前にタイ王室庁は国王の健康状態が不安定ですべての公務を
取りやめるよう医師団が進言していました。
血液透析と水頭症の治療を行い、血圧低下や心拍数上昇などの
症状が出た後、逝去されたと発表しました。

その後、軍事政権から国民へ向けて以下のような発表がありました。
(1)全ての公的な場所、国営企業、政府関係機関及び教育機関は
   10月14日より30日間半旗を掲揚する。
(2)全ての公務員及び国営企業従業員、政府機関職員は、
   10月14日より年間喪に服す。
(3)一般国民は、適切な行動を考えて行動すること。

2位:ホアヒン、プーケットで爆発事件発生

2016年8月、タイの中南部ホアヒン、南部プーケット島の
パトンビーチで携帯電話、アルコールなどからなる時限発火装置
などが爆発。
4人が死亡、英国人、オランダ人など外国人を含む37人が怪我を
したと発表されています。
それ以外の他県でも商店街などでの不審火なども発生し、
犯人などは逮捕されていないままとなっています。

3位:2016年8月パープルラインが開通、日本製車両も導入

バンコク北部のバンスーと北西郊外のノンタブリ県バンヤイを結ぶ
高架鉄道パープルラインが8月に本格的に開業しました。
同パープルラインは全長23Kmで16駅が設置されています。

将来的にはバンコクの地下鉄MRTブルーラインなどと連結する
予定ですが、現状は分離されておりアクセスが悪い状況に
なっています。
同ラインはバンコク・エクスプレスウェイ・アンド・メトロ社
(BEM)が運営を担当、車両や信号・運行設備など鉄道システム
などのメンテナンスは東芝、丸紅、JR東日本の合弁企業が
担当しています。

当初、利用者を1日6万人程度と見込んでいましたが、
平均2万人にしか届かず、利用見込みが甘かったなどの批判も
出ています。

4位:固定資産税、相続税の導入を決定(実施は延期)

タイ政府は2016年6月、新しい土地家屋税(Land and buildings tax)
が内閣に承認され、
2017年に制定される見込みとなりましたが、その後に実施時期は延期と
なりました。
今回導入予定の土地家屋税は、地方自治体から個人・法人に課税される
地方税となります。
また、それに伴い旧法の土地家屋税(Land and building tax)や
地域開発税(land Development tax)は廃止となる予定です。

タイ王国・土地・建物税新法は、タイ国内の農地、住宅、商業施設、
未使用地の4分野が対象になり、評価額が5000万バーツを超える
農地で最大で0.2%、2番目の住宅で最大で0.5%、商業施設で
最大2.0%、未使用地で年数などに応じて毎年課されます。
政府ではおよそ643億バーツの税収を見込んでいます。

5位:プロンプトペイのシステム導入は2017年以降へ延期決定

2016年7月、タイにおける銀行口座、国民IDカード番号、保有する
携帯電話番号をリンクさせる”Promtpay”サービスが
タイ政府財務省とタイ地場銀行の主導で発表されました。

同システムはタイ国民が全員保有するID番号と個人所有の
携帯電話番号を使用して支払い・送金・残金確認などを行える
サービスで、Promptpay(プロンプトペイ)の名称で10月末以降
導入予定となっていました。
しかし、タイ銀行協会はこのプロンプトペイ・システムの
運用開始をシステムに不備を理由に2017年以降に延期すると
発表しました。

6位:タイ証券取引所上場企業が発電分野に挑戦するケースが増加

近年、タイ証券取引所上場企業の中で発電分野に挑戦する企業が
増加しています。
バンチャーク石油(BCP)の子会社で発電企業のバンチャーク
パワージェネレーション(BCPG)はタイ証券取引所にIPOしています。
BCPG社はタイ国内で太陽光発電事業を展開し、130MW規模まで
拡大しています。

電気設備の製造・販売などを手掛けるガンクル・エンジニアリング
(GUNKUL)は、栃木県で大規模太陽光発電所:メガソーラーを開発する
と発表しました。

バンプー子会社のバンプー・パワーBanpu Powerは2016年度に
新規上場しました。
電力ビジネスは今後も需要が高まることが期待されていて、
石炭火力発電以外に水力、風力、太陽光、バイオマスなど
自然エネルギー関連発電所も増やす考えです。

2015年7月のタイ証券取引所(SET)発表によれば、
発電・廃棄物処理事業のインターファー・イースト
エンジニアリングInter Far East Engineering
(IFEC)社は、株主総会において子会社である
インターファー・イーストサーマル社が
ルンエクラヤ・エンジニアリング社Rung Ake Raya
Engineering(Sa-Kaeo)Co.,Ltd.の株式を額面1株あたり
100バーツで57万株を引き受けることを発表しています。
同社も積極的に太陽光発電事業を展開しています。

SET上場の印刷大手企業イースタン・プリンティング
(EPCO)では、京都府に開発したメガソーラーが商業運転を
開始したと発表しています。

メガソーラー事業を行うSET上場企業のSPCG社は、
2020年までに自社発電容量を500メガワットまで
引き上げる目標を掲げています。
SPCG社はフィリピンにも進出しており、第2フェーズの投資優遇
と30メガワットの発電免許を取得。
フィリピンは人口1億300万人とタイよりとても多いのですが、
発電能力はタイの3万7000メガワットよりも少なく、
1万5000メガワットほどしかありません。

7位:タイのワチラロンコン皇太子が王位継承、ラーマ10世となる

ワチラロンコン皇太子は2016年12月に立法議会NLAの即位要請を
受けて、チャクリー王朝の第10代国王ラーマ10世に正式即位した
ことを発表しています。

チャクリー王朝は1782年(タイ仏暦2325年)、乱心をきたした
タークシン王を処刑したラーマ1世によって起こされたタイの
現王朝であり、2016年即位のラーマ10世を含めて10代の王が
名を連ねています。

タイ内閣、および国家平和秩序維持評議会では
11月末に閣議を開きワチロンコン皇太子の王位継承を
決定しましたが、皇太子自身は10月13日プミポン国王崩御の際に
しばらく喪に服したいと言う意思を示し崩御から50日経過した
12月1日に王位継承を受諾すると発表しました。

プミポン前国王の崩御後は元首相のプレム枢密院議長が摂政を
務めていましたが、新国王の即位によってタイ国内に安定が
戻ることが期待されています。

8位:タイの不動産価格はさらに上昇

バンコク中心部における高級コンドミニアム、
超高級コンドミニアムは、タイ富裕層ならびに外国人投資家からは
まだ適正価格とされていて、価格が高騰しています。
特にスクンビット通り地区、アソーク地区、トンロー地区、
サイアム地区などでのハイエンド以上の物件は12~20%の値上がりが
あったとされています。

2016年に発表された超高額コンドミニアムはタイの大手不動産開発
企業のサンシリ社(SIRI)が発表した”98ワイヤレス 98 Wireless”で
1平米50万バーツ以上となります。
高層25階建て、77戸数の超高級物件で、総投資額85億バーツと
東南アジアでも有数の物件になるとしています。

コンセプトは”The Best Comes as Standard”とされています。
バンコク中心部ワイヤレス通りに面し2ベッドルーム~3ベッドルーム、
ペントハウスになっていて、開始価格6000万バーツからと
なっています。

高層ビル大型開発としては、東南アジア最高層ビル「ザ・スーパータワー」
の建設計画も発表されています。
バンコク都内のラチャダピセーク通りとラマ9世通りの交差点地域にて、
高さ615メートルを誇る超高層ビルの開発計画です。
地上125階、敷地面積約32万㎡、予算180億バーツ完成予定は2019年に
なるとしています。

この開発主体のGrand Canal Landグランド・カナル・ランド
(GLAND)はタイ証券取引所(SET)に上場しています。
2015年度の業績は売上51億6000万バーツ、
純利益17億3200万バーツになります。

9位:タイの観光旅行者数は2015年2950万人、16年は3000万人を
  越える見通し

タイの観光旅行者数は2015年に2950万人を越え、2016年は3000万人を
越える見通しです。
また、タイの簡易宿泊施設ビジネスの市場も大きく伸びると
予想されています。

タイ国外からの旅行者数は中国の800万人を筆頭にマレーシア、
日本などが続き、バンコク、チェンマイ、プーケットなどが
人気スポットとなっています。

1日300バーツ程度のベッドのホステルが人気で、次々と簡易施設などを
建設する業者も増加しています。
タイでは2000以上の簡易施設がありホテルなどを含めた総宿泊施設数の
12%を占めます。

個人旅行、一人旅の割合が2015年度の統計では24%を占めるとし、
少しずつ増加傾向になっています。
また、若年層は大きなブランドホテルよりも小さいホステルを選ぶ
傾向が強いとしています。
理由としてバックパッカーが低価格、コミュニケーション、
インターネット口コミなどで選択し安全性を担保するためと
しています。

また、AirBnBなどの簡易宿泊提供サイトも人気となり、
自分の持ち家、借り家を簡単に貸すことが出来るウェブツールも
流行したことで、タイ観光・スポーツ省では内務省と共同で
旅行者向け空き部屋仲介サイトなどに対する規制を実施する
考えを示しています。

10位:日本のEコマースポータル大手の楽天が東南アジア各国で
   閉鎖を発表

日本のEコマースポータル大手の楽天が東南アジアの各国で閉鎖を
発表しました。
シンガポール、マレーシア、インドネシアのサイトを閉鎖、
電子ショッピングモール事業からの撤退を発表しました。

同社はタイでは2009年にTarad.com社を買収し66%を買い取り、
BOI事業として開始しました。
当時のライバル大手はTRUE社のWeLoveShoppingのみでしたが、
Lazadaなどのライバル他社が次々と参入しました。

インドネシアでは2010年に地元財閥企業MNCのPT Global Mediacom
と合弁で事業をスタートし、Rakuten Belanja Onlineを展開、
13年度には合弁解消となりました。
MNC側はその後韓国資本のGSグループとマーケットプレイス
MNC Shopを開設しています。

今後楽天ではCtoCのフリマアプリ「ラクマ」を東南アジアの各国市場
向けにリリースする計画を発表しています。

この他にもLAZADAがアリババに売却を発表するなど、
まだタイの大手ECコマースは黒字化出来ていない企業が大半に
なっています。
今後、生き残りをかけて市場拡大と早急な黒字化が課題と
なってきています。

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