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2018年5月マレーシア議会下院選挙までの流れ【マレーシア:政治】

2018年5月のマレーシア議会下院選挙で敗れた「統一マレー国民組織
(UMNO)」はそれまでマレーシア最大の政党でした。
与党連合「国民戦線(BN)」の中核をなすマレー人政党であり、
1957年にイギリスから独立して以来、歴代首相はUMNO総裁が
務めてきました。

多民族国家マレーシアは人口の67%を占めるマレー系に加え、
中華系25%、インド系7%などから構成されています。
UMNOは華人・インド人政党との連合により国家政権の安定を
図ってきました。

国民戦線(BN)は1969年にマレー人と華人が衝突した「人種暴動」
の後に結成され、統一マレー国民組織(UMNO)を軸に、
マレーシア華人協会(MCA)、マレーシア・インド人会議(MIC)など
多数の政党で構成されてきました。

1981年以来20年以上も長期政権を維持したUMNO総裁の
マハティール・モハマド首相は、1998年に後継者と目されていた
アンワル・イブラヒム副首相兼蔵相を「同性愛行為」などを
理由に解任しました。

2004年にアブドラ・バダウィがマハティール氏の後任総裁と
なりましたが2008年の総選挙で与党連合が惨敗し、
ナジブ・ラザク副首相が2009年4月に総裁と首相に
就任しました。

2015年にマレーシアの政府系投資会社であるワン・マレーシア
開発公社(1MDB)にかかわる横領疑惑とナジブ首相への巨額献金の
発覚により国民の支持は大きく下落しました。

2015年9月には野党3党による「希望連盟」が立ち上げられました。

2016年マハティール氏はかつての政敵である民主行動党(DAP)、
人民公正党(PKR)、国民信託党(Amanah)の指導者らとともに、
ナジブ首相退陣を求める署名を集めて国王に請願したほか、
自ら発起人となって新党・マレーシア統一プリブミ党(PPBM)
を結成し、同会長に就任しました。

PPBMは主要3野党が構成する希望連盟との協力を試み、
2017年3月に希望連盟への加盟を果たします。
同年7月に希望連盟は政党連合としての指導部を発表し、
マハティール氏が会長、PKR顧問で服役中のアンワル・
イブラヒム元副首相が事実上の指導者と発表します。

2018年5月に行われたマレーシア議会下院(定数222)
選挙は、マハティール元首相が率いる野党連合が過半数議席を
獲得して勝利しました。

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