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タイのホテル業界2021年見通し、厳しい状況が続く【タイ:観光業】

タイの格付け機関Tris Ratingではタイのホテル業界に関しネガティブな見通しを維持しており、
旅行・観光需要の回復が遅れていることから業績は引き続き厳しい状況にあると見ています。
タイ観光業の本格的回復にはまだ時間がかかるため、コスト管理と収益源の多様化が引き続き重要としています。

タイの大手ホテルは集客のため割引やプロモーションなどを行い、競争を激化させると同時に、
損失を最小限に抑えるためコスト管理に注力すると見られています。
企業によっては収益の急激な減少により、深刻な経営難に直面する可能性があります。

2020年、タイのホテル業界は、客室1室あたりの売上高(RevPAR)が前年比-60~70%減となり、
タイ全国平均で1泊331バーツとなるなど、かつてないほど事業量が減少しました。
平均稼働率は29.5%にまで落ち込みました。

2021年後半まで旅行規制が続く可能性が高いことから、
ほとんどのホテルはパンデミックによる深刻な影響に耐え続けることになり、
流動性の問題に対処するために別の資金源が必要となる可能性があります。
そのため金融状況の悪化は今後も続くと思われています。

2021年のタイ観光業は、主に国内旅行で緩やかに回復すると予想されています。
海外からの入国者数は、世界各地でのワクチン接種状況やその効果に影響されるものの、
2021年には150万人から300万人になると予測されています。

観光産業はタイで最も重要な経済部門の一つであり、
2019年の観光収入はGDPの18%を占めました。
外国人旅行者からの利益は1.9兆バーツで全体の64%を占め、
残りの1.1兆円はタイ人旅行者です。
2019年の国際観光支出のうち、宿泊施設が28%、飲食が21%を占めました。

2020年の観光収入は-72.8%減の8100億バーツに激減しました。
この中にはタイ人旅行者の5000億円が含まれています。
海外からの入国者数は2019年の3,990万人から670万人に減少し、
第1四半期に集中していました。
また、タイ人旅行者も-46.4%の減少となりました。

2021年第4四半期には外国人旅行者数が徐々に回復すると考えられていますが、
そのためにはワクチン接種の実施状況と効果が重要となります。
先進国およびタイの観光主要市場における予防接種率は、
2021年後半には約30%に達すると予測され、
タイの予防接種率は2021年の第4四半期には人口の45%に達すると予想されています。

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