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国営ガルーダ・インドネシア航空は不適切会計で2018年決算を訂正【インドネシア:航空サービス】

インドネシア証券取引所に上場している国営の
ガルーダ・インドネシア航空(GIAA)は、2019年7月下旬に
2018年12月期決算の訂正を発表しました。

機内Wi-Fiサービス導入契約を解除し「その他収入」として
計上していた15年分の想定収入2億4000万USドルを
ゼロとしたことで、最終損益は修正前の80万USドルの
黒字から、-1億7900万USドルの赤字に転落しました。

機内Wi-Fiサービス導入で今後15年間に見込む収入を
前期決算に一括計上していましたが、当局から不適切
会計との指摘を受け、結果、ガルーダは2期連続の
最終赤字となってしまいました。

同社の株主構成は
Indonesia Govermentが60.5%、
Trans Airways社が25.6%
(インドネシア複合企業CTグループ傘下)、
Credit Suisse AG SG Trust Cl-FinegoldRes Ltdが
2.4%保有しています。

インドネシア財務省、インドネシア証券取引所管理
委員会、およびインドネシア金融庁では、2018年の
ガルーダ・インドネシア社の連結財務諸表に関する
発表について各株主が疑念を持たなかったことに批判を
出しています。

ガルーダ・インドネシア航空は1949年に設立された
インドネシアの国営航空会社です。
日本では「ガルーダ航空」、英語ではGaruda Indonesia
とも表記されます。
2018年はイギリス・スカイトラックス社による航空会社の
格付けで最高評価の五つ星(The World’s 5-Star Airlines)
認定を得ています。

インドネシア証券取引所(IDX)に上場する大手企業の
不正会計処理疑惑はインドネシア金融業界に大きな
ダメージを与えています。

ガルーダ・インドネシアの少数株主は、今回のような論争を
起こすことは株価に影響を与え、同社資産に損害を与えることを
知るべきであったとコメントしています。

インドネシア政府の多数株主と2社の民間株主の間では、
2億4000万USドルの未収入の売上定義に関する意見の相違は、
インドネシアの会計基準に従って迅速に解決出来たと
しています。

結果としてガルーダ・インドネシア航空の2018年最終利益は
80万USドルから一転し、-1億7900万USドルの赤字となりました。

さらに証券取引所を混乱させたのは、同財務諸表は世界5大
会計会社の1つであるBDO Internationalのインドネシア関連会社に
よって監査されたことでした。

大手有名会計事務所による不正会計疑惑は、
2018年末にマルチファイナンス企業Sunprima Nusantara
Pembiayaan社が1.8兆ルピア(1億2400万USドル)の銀行ローンと
ミディアムタームノートをデフォルトにした金融スキャンダルと
詐欺事件があったため、インドネシアでは会計事務所の監査機能
に関して疑念が浮上しています。

Sunprima Nusantara Pembiayaan社の財務報告書は
大手国際会計事務所Deloitteデロイトのインドネシア関連会社に
よって無限定適正意見(Unqualified Opinion)として監査され、
ミディアムタームノートは国営Pefindo格付機関により
投資適格として格付けされていました。

しかし評判の高い会計事務所から評価されたにも関わらず、
わずか数か月後に、同社は早期の警告なしにデフォルトを
発表しました。
インドネシア財務省はデロイトDeloitte関連会社の監査人に
罰則を課しました。

※一般的にグローバルな監査意見の種類は以下の4つからなる。
無限定適正意見(Unqualified Opinion)
限定付適正意見(Qualified Opinion)
不適正意見(Adverse Opinion)
意見不表明(Disclaimer of Opinion)

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